これだけさまざまな柄があると選ぶのに迷ってしまいますよね。選び方としてはあなたが望むイメージと色の組み合わせがポイントになってきます。シャープなイメージにされたい方は、直線的で色のコントラストがはっきりしているものを、ソフトなイメージにされたい方は小さい柄や曲線的なもので色の濃淡が少ないものを選ぶのがコツです。また、色の組み合わせですが、最も取り組みやすいのが同系色での配色です。スーツに対してネクタイを同系色にしたり、ネクタイとシャツを同系色にしたり、すべてを同系色にするという方法もあります。また、新しくネクタイを買う時には、その前にあなたがいま持っているネクタイをぜんぶチェックしてみることをお薦めします。好きなもの、組み合わせやすいもの、使っていないものなどを顔卸ししてみましょう。自分が好きであったり、周りから評判が良いネクタイの傾向がわかれば、あなたに似合うネクタイの基準がつかめると思いますよ。
カシミアのセーターにチノクロスパンツ、チノクロスの帽子に足元はコンビの編み上げ靴、こんな格好ならこのままゴルフにでも出かけられる。セーターをチノクロスパンツに入れてベルトでキリッ、これはいうは易し行うは難しとでもいうべき着こなしだ。書いている本人は日ごとに自信がなくなってきている。一ヵ月前なら平気だったけれど今はねえ、というふうに美の安定度は低い。美の安定度、自分で作った言葉ながら含蓄がある。経験から出た言葉だもの。美の安定度が揺らぐお年頃になると口々のチェックが大切だ。少しなら元に戻すことができるだろうし、努力次第では安定度を高めることができるかもしれない。だらだら生活していて、気がついたら大変なところまできていた、というのが一番怖いもの。話はおしゃれから外れて触れたくない方向に……そう、カジュアルを素敵に着るには、美を磨く、安定させるというところが基本なのだもの。
お仕立てスーツの値段は、服地で決まる。スーツのイメージを左右する最大の要素は、デザインよりもまず服地なのである。仕立屋は、最終的に客が選んだ服地の良さを最大限に生かすように、スーツの微妙なニュアンスを調整する。ここに何か、スーツが長袖長ズボンでなければならない秘密が潜んではいないか。クラシコーイタリアを担う一人、ルチアーノーバルベラ氏(彼の名前がそのままブランド名にもなっている)は、「エレガントな服(=スーツ)は男の第二の皮膚」と表現した。また、アン・ホランダーは、「スーツは、古典古代の英雄裸体像のモダンな抽象形であり、それゆえにセクシーである」と斬新な評価を下した。こうしたスーツ礼賛の言葉をひとひねり、意地悪く深読みすれば、こうなる「第一の皮膚や、そのまんまの裸体は、エレガントでもセクシーでもない」。