寸暇を惜しむ受験期は、受験勉強も長時間、なかには深夜二時、三時まで及ぶ場合もあります。受験生への忠告は、机にダラダラと長時間向かっていても、あまり効果は期待できません。緊張感と弛緩のスイッチを上手に切り替え、メリハリある勉強をしなければなりません。頭休めにお勧めは、新聞や雑誌。活字を読むことは、知力の集中にプラスになりますし、受験科目への切り替えもスムーズにできます。気が乗ってくれば、不得意科目にまで手が伸びます。どうしても、勉強が手につかないときには、勉強とは逆の腕立て伏せや縄跳びなどの筋力トレーニングをするのも一考です。運動することが、根を詰めた勉強のストレスを発散し、精神力と体力を増し、再び机に向かう気力や集中力を奮い立たせるという説もあるほどです。生理学的な話をしますと、ストレスは勉強しているときの姿勢や環境にも左右されます。悪い姿勢や薄暗い照明下の勉強は、体や心に与えるストレスが増大します。環境の見直しも必要です。最後に家族の方に一言。とかく「頑張れ」とか「大丈夫なの?」と声をかけたくなりますが、そのひと言がストレス増大の原因になっていることに気づいてください。
お母さん方が「偏差値」という言葉を使うとき、よく二とおりの使い方をしています。一つは、子どもが受けた模試で「うちの子の偏差値は五〇だった」という言い方、もう一つは、「○○中学の偏差値は四五くらい」という言い方です。同じように使われていても、わが子の偏差値の場合は受けた模試によって毎回大きく変わるので、お母さん方の間にも変化するものという意識があります。したがって、わが子の偏差値についてはあまり固定的に捉えず、いちばんいいときの偏差値をわが子の偏差値としてあげるお母さんが少なくありません。一方、学校の偏差値も、その模試でその学校を志望している受験者の成績から予想した偏差値なので、当然毎回異なる可能性があるし(個人偏差値ほどは大きくは異ならないが)、別会社ならそれこそまったく違う数字になって当然と言えます。
国語の文章題が解けない場合を考えてみます。読解力・記述力の低下は社会的問題になっているくらいですから、「読解問題ができなくて……」とおっしゃるお母さんは実にたくさんいます。読解問題で点が取れない子どもの中には、長い文を読みなれていない、長い文を読むのが面倒だというどちらかからはじまって、気持ちが集中できないので同じところを何度も読んでしまい嫌になってしまう、あるいは面倒だから設問からその部分の問題を読んでやるという子どもがいます。どちらの場合も、改善しないといつまでも読解力がないままで終わってしまうことになります。もし、長い文章を読み取れていない、気持ちが集中できないならば、試験の問題を音読させてください。一度ではなく、二度か三度。音読させることによって、声を出しながら自分の耳がその声を聞きとる。そのうちに集中力が出て、すこし文章の内容がわかるようになってくる。その時点で一題問題を解かせてみましょう。